今日の中日新聞サンデー版、特集は自律神経を整えることについてでした。
新型コロナ禍で特に重要視されているのですが、現代人が自律神経のバランスを崩していることは以前から問題なことでした。世の中あまねくIT化して、過剰な情報がもたらされます。脳みそが酷使され、休むひまがありません。液晶モニターを朝から晩まで見つめることも昔は考えられないことでした。せめて、夜になったら画面から離れないといけません。
患者さんで、体調不良のかた。詳しく話をうかがうと、ゲームをしたり動画をみたりで就寝が午前1時、2時。あるいは夕飯すんで夜8時ころ寝落ちして、夜更けに目覚めて洗い物をし、あらためて寝ると1時、2時。こういった生活を余儀なくされている女性は本当に多いです。
しかしこれはもう、無理してしまっています。30歳代まではこういった無理がなんとか、ききました。ところが40歳をすぎるともうもちません。自律神経は自分がめっちゃくちゃな生活をしていても、おりこうに働いてくれるのかというとそんなわけはないのです。早寝しなければ。家族で助け合っていろいろ片づけることを手分けしてもらわないと倒れちゃうよね。…というお話を外来で日々、しております。
今日のサンデー版記事にばっちり、書いてありました!
女性は40代から副交感神経の働きが急速に低下する。10、20代は副交感神経の働きが強いため、自律神経が多少乱れても早く回復するケースが多い。ところが加齢とともに快復力はにぶり、休んでも疲れがとれにくかったり、筋肉や脳の働きも弱くなる
中年以後の患者さんはよく、こういった体調不良を「コウネンキですか」と受診なさるのですが、たいていは加齢で無理が利かなくなっているということです。もちろん女性ホルモンも40歳すぎから徐々に低下してゆくわけですが、それもやはり加齢のためです。婦人科受診して何かできるかといいますと、閉経(50歳くらい)近くなり女性ホルモンがすっかり落ちたらホルモン補充療法ですが、その手前ですと適応ではありません(する必要がないのです)。漢方薬が良く効く場合があります。ただそれよりも日々の生活がものをいうのです。あるいは、それまでの生活のツケといいますか、充分に体を作ってこなかったことが響くのではないかなと思います。最近の若い女性の痩せがはげしく、世界的にみても問題だ、と新聞やネットニュースでも取り上げられています…私は彼女らが加齢したらいったいどうなるんだろうと心配しています。
40歳そこそこでガックリきていては早いです。人生これからです。生活を見直し、いよいよ栄養バランスと運動に気をつけて堂々と加齢していきましょう。
記事に載っている順天堂大学の小林弘幸教授はテレビや雑誌などでよく拝見し、お話をうかがっているとさぞ生活を律した方だろうと思われます。お酒も飲まれるそうですが赤ワインだけだそうです。きっと適量を守られていると思います!