もう、2週間ちかく前になりましたが、春日井市 東部市民センターで開催された平和のつどいに参加してきました。会場の多くは、戦後に育った世代、また私のように戦時中に人生を送った親を持ち、戦争のことを小さいころから聞いてきた世代でしたが、ジュニアの方や若い方もいらっしゃっていました。
もとイスラエル軍兵士の、ダニー・ネフセタイさんの講演はわかりやすく、胸を打つものでした。講演を聞いた人が、家に帰って子どもたちや孫たちに伝えたいという意見をうけて出した本が、ことし3月に発行された「どうして戦争しちゃいけないの?」だそうです。
下表は講演中、ダニーさんのスライドをみて書き留めたものです。戦争がいかに悲惨なことかを示します。イスラエルの新聞記事にあった数字で、2023年10月ハマスの奇襲後これだけ精神疾患が増えたということです。信じられない高さです。(見間違い?いや、たしかにスライドをみながらメモしました!)もともとの罹患率が高いのは長年にわたり国同士が暴力の応酬をしているためでしょう。
奇襲以前% | 奇襲以後% | |
PTSD | 16 | 30 |
うつ | 24 | 43 |
不安症 | 31 | 44 |
自殺願望 | 38 |
会にさきだち私は挨拶を3分くらい述べました。私は婦人科の医師として外来診療と、性教育にもかかわっています。性教育というと科学的な正しい知識が必要ですが、大事にしているのが性的同意です。一方的な性、支配的な性は言語道断です。互いを尊重しあうことが絶対必要、つまり性教育は人権教育です。そして、いやな性的接触にはNo!を言おうと教えます。「嫌、やめて!」と声をあげること。それにも訓練が必要です。
あたりまえにNoを言って良いと言われて育たないと言えない人になってしまう。これは性的な場面だけでなく、人生のあらゆる局面における決定力、権利の実行力です。わたし自身はそういう訓練のないまま、いい年になってしまいました。それでいま、特に女の子たちに、嫌なものは嫌と言っていいんだよ、と言っているんです。
はっきりNo!と言い慣れていない人は、私だけでなく、日本人には多いのではないでしょうか。ところが最近いやと言えないムードにどんどん拍車がかかっているようです。2013年に強行採決された秘密保護法や2017年成立の共謀罪法(注1)、今まさに問題となっている地方自治法の改正案(注2)。まるでNoを言う権利など忘れてしまえと言わんばかり。とんでもない。戦争はNo。平和外交をもっと行うべきです。
注1,2の参考リンクはどちらも日本弁護士連合会のサイトです