自分の意志で人生を生きる女性

今月、伊藤野枝の小説「風よあらしよ」の映画版をみてきた。出かけたのは上映のラスト日だったので、ぎりぎりセーフ。吉高由里子さんが野枝を演じている。

小説は、図書館で借りてきた。厚いのできちんと読めずに返却時期が来てしまったけれど、以前に伊藤野枝の別の本をじっくり読んだことがあり、拾い読みでもなんとか場面を想像することができた。そして映画をみた。映画では、長い小説のすべての要素を汲むことはできないし、ラストの残酷な場面は脚色してある。頭の中で場面をつくる小説と違うのでそれはしかたがない。ラストに強烈な場面がくると話全体にひびいてしまうかもしれない。大事なのは、相手が大臣だろうがおそろしい憲兵だろうが、びびるどころかスラスラと言葉が出てくる野枝の強さだ。

村山由佳さんによる伊藤野枝の小説「風よあらしよ」

膨大な資料を求め、それを読み、想像力を膨らませて書くのが小説家の仕事。凄すぎます。

伊藤野枝は福岡県の海近くの村出身。東京の女学校で学ぶことができた。ひとの自由、平等はあたりまえのことと固い信念を持つ女性。女学校で学ぶより前に、子どものころから培われてきた資質のようだ。明治・大正の時代に、たいした人である。

吉高由里子さんは今年の大河ドラマ「光る君へ」でも、自分の意志を大事に生きる女性を演じている。

こうした本を読み映画をみて、ああ充分生ききった、と言って死んでいけるためにはどうしたらいいのかを考える。

話は飛ぶけれど、今年は久しぶりに大河ドラマを初回からみている。今回(第八回 2/25)は親による子どもの差別、暴力虐待という、今につながる問題場面が登場した。この先どうなるのだろう。脚本は大石静さん、音楽は冬野ユミさん。女性が大活躍です。

血圧手帳のこと

血圧を記録する手帳について、紹介したいと思います。

いま手元にあるこの3冊は、いずれもA6サイズ。お薬手帳と同サイズのノートです。

数値のみ記録する形式と、数値のほかグラフを描ける形式と、あります。どちらがいいかは患者さんの好み、あるいは担当医師の判断となりますが、私は数値がわかればよしとする派です。

一番左は日本高血圧協会が発行している手帳です。ネットで内容を見ることができますので、リンクを下記します。血圧記入欄のほか、ノートの前のほうに血圧の測定方法や血圧管理の目安とする数値が載っています。どうぞご覧ください。

特定非営利活動法人 日本高血圧協会 ホームページ血圧手帳みほん(PDF)

高血圧について

高血圧となる人は少なくない。ポピュラーな疾患ともいえる。今は良い治療薬があり、治療効果についてデータが蓄積されてきた。かくいう私(小栗)も昨年の春先から降圧剤のお世話になっている。親が高血圧だったし、いずれは高くなるかと覚悟はしていた。年齢が上がって、やっぱり、高くなってしまったなあ。仕方ないので服薬開始した。

でも、ありがたいことに服薬したら血圧は下がってくれる。薬でコントロールできるのはとてもありがたいことだ。(体重は、そうはいかないなあ。)

高血圧を管理するのに、血圧を測り記録することは大切である。自分で状況を把握すること、自分が健康を維持する主体性を持つことにつながる。

血圧記録は紙媒体を使用する(血圧手帳に書く)ことを推奨したい。医師という第三者が関わるときにはスマホではなく手帳でお願いしたい。

これまでは、製薬業者さんが血圧手帳を提供してくれていた。ところが昨今せちがらくなり、手帳をもらうことができなくなってきた。

左は、降圧剤服用中の患者さんがつけてくれているノートである。許可を得て写真を掲載させていただいた。シンプルにまとまっていてgood。

必要なのは年月日、血圧と脈拍の数値である。評価の基本は朝の血圧で、朝夕測定できるとbetter。

血圧手帳は複雑なものではない。最低限必要なのは上記項目で、さらに服薬記録、日常の簡単なメモができれば充分である。血圧手帳は薬手帳と同様、A6サイズくらいが扱いやすい。100均でもよいので自分のお気に入りのノートを用意して、記録をしてほしい。