血圧管理はしっかり、が良い

当院は婦人科クリニックなのですが、高血圧治療も併せて行う場合が少なくありません。年齢が上がるにつれ、血圧が高くなってきて服薬が必要になってくる人が多いためです。たとえば閉経後、ホルモン補充療法と一緒に降圧剤も処方します。科ごとに別々だった病院勤務時代よりも、全般的に治療にかかわるようになりました。もちろん研鑽は欠かしません。今夜も高血圧治療についてレクチャーを聴きました。

きょう聞いた話は昨年11月に高血圧治療で使えるようになった薬剤をテーマとしたものでしたが、高血圧治療について総論(根っこの基本的なこと)もデータをもとに説明がありました。

家庭血圧が大切なこと

血圧管理は、ゆる〜くではなく、収縮期(上の血圧)130mmHg未満、拡張期(下の血圧)80未満に、ちゃんと持って行くのが良いこと

これらは既知のことで、患者さんにもおりにふれ話してきたことでした。今日の話で再確認できました。

もちろん、投薬のまえに減塩をすること、早寝をすること適切な体重をキープすることは大事なポイントです。…若かろうが、血圧が正常値であろうが同じです。お子さんも、夫さまも、家族じゅう減塩がよいのです。

「若者が行きやすい産婦人科って?」…10代・20代対象オンライン調査のお知らせ

調査受付を終了致しました。ご協力ありがとうございました。2022.3.4

#なんでないのプロジェクト を立ち上げている社会活動家、福田和子さんによるオンラインアンケート調査です。

“(産)婦人科/レディースクリニックが、若者にとって少しでも行きやすい場所になるために皆さんの声を医師に直接届ける”ためのアンケートです。

回答時間は5〜10分程度で10代・20代対象に、性別関係なくお答えいただけるもの、とのことです。概要など下記リンクをご覧になり、どうぞご協力くださいますようお願い申し上げます。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeRXk9Nqag32A71X2Jecw1prwmxQ-_wzLIPEEU4SxL8baslPw/viewform

気が向いた時の調理は楽しい

<独り言の日記です>

寒いし、このご時世なので家で長く過ごす。時間があるとき、気持ちや体力に余裕があるときの料理は楽しいものである。

パスタはこのごろ、大鍋ではなくレンジで加熱する方法で茹でている。塩は無しで。

この、茹で器の購入は正解だった。レンジにいれて放っておけるのはとても良い。

二人分まで茹でられる。蓋は加熱時には使わず、湯を切るときに使う。

長細い容器は電子レンジの丸いお皿にちょうど載るサイズ。袋にかいてある時間に数分プラスして加熱開始。

レンジの中で回りながら水が沸騰して泡が容器から盛り上がるが、絶妙に、ふきこぼれないのが素晴らしい。

パスタは数時間、水没させておくとゆであがるのが早くてモチモチした食感になるというのを友人から教えてもらい、やってみた。

パスタを茹でるとき塩を入れるのは塩味を付けるのが目的なだけ…とネットでみて、塩は入れずにゆでている。パスタをゆでるとき結構たくさん塩が要るけれど、ゆでただけで大量の塩水を捨てるのがもったいなくて気になっていたのだ。

塩無しで茹でても歯ごたえなど変わりないように思える。自分だけでなく、ほかの人からも特に文句は出ないから大丈夫かな。

野菜くずの有効利用をはじめた。ゆでると良い出汁が取れる、と何かの本で読んだので、そうしている。えんどうやセロリの筋を引いたもの、玉ねぎの皮などを冷凍してためておき、まとめてゆでると良いと。

普通の鍋で茹でるより、圧力鍋で茹でたほうが、やはりしっかりスープが取れた様子。色が濃い。

圧力鍋が良いポイントは熱エネルギーが漏れないこと。特に長い時間煮込むとき、エネルギーが効率よく調理に使われるのはうれしい。

スープから良い香りが立ち上る。これで味噌汁を作ると、とてもおいしい。

医学部合格率 男女逆転

この、見出しのニュースが2月17日木曜日、中日新聞朝刊でとりあげられました。BuzzFeedNewsでは2月1日に、すでに記事となっていました。

このニュースとなったきっかけは、文科省の公表をみて逆転に気づいた全国保険医団体連合会(保団連)が下記の声明文を先月、報道各社に連絡したことだったのです。

【声明】女性差別のない公正な入学試験の実施を 全医学部・医科大学に求める 2022.1.17

全医学部・医科大学の男女別合格率の公表は保団連女性部が求めてきたことでした。文科省は2013年度以降の男女別合格率を公表しているのですがこの公表、スムースなことではなかったようです。上に紹介した声明に詳細がかいてあります。

この男女別合格率の公表は、特段記者会見が行われることはなく、言うならばひっそり資料が公開されているのが実状です。保団連女性部は文科省の発表に随時チェックを入れており、それで気づいたのです。

保団連女性部は、入試シーズンでありさらに報道を増やしたいと1月26日に再度のプレスリリースをおこなったそうです。多くの医学部の合格発表があるころまでに、できるだけ報道がひろがればよい、と。地元中日新聞も、とりあげてくれました。

マスク生活、好き?

COVID-19問題によりマスク生活約2年となりました。不便なことは多いですが、世間ではマスクのことを「顔パンツ」といいあらわし、もはや手放せないという意見も出るほどです。それはなぜ?メイクがちゃんとできていないのをごまかせる等の理由もありますが、ドリカムの歌『眼鏡越しの空』の歌詞に”(眼鏡が)気を隠すのに都合がいい”とあるように、マスクで気を隠せるからという理由も大きいと思います。

婦人科の外来診療を行う私は、今までマスクは使っていませんでした。患者さんにとって表情が読めない相手(医師)には話しづらいと思います(呼吸器内科や耳鼻科のように、マスクをつけて診療をする必要がある科もあります)。反対に医師のほうも、マスクをはめたままの患者さんには気持ちが読めないのでコミュニケーション上、結構なストレスがあるものです。相手だけ気を隠す手段を持っていて、こちらは丸腰というのはフェアではありません。丸腰のほうはとっても疲れるのです。

下の図は、以前に私が作っていたFC2という無料サイトのブログの一部です。マスクでコミュニケーションに支障が起きると呼びかけたものです。ブログは2018年のものですが、マスクをはめたまま診察室に入ってくる患者さんの増加をはっきり意識するようになったのは2012年かそれ以前です。年々、気を隠すためマスクを活用する患者さんは増えて来たように思います。

最近、業界の新聞で興味深いものを見つけました。全国保険医新聞、2022年1月25日号にある「心理学からみたマスク生活でのコミュニケーション」という記事です。以下、記事を参考に書きます;

北海道大学大学院文学研究員教授の河原純一郎氏は北海道で開催された市民公開セミナーで「マスクの着用は感染に対する重要な防御手段であるが、顔の大事な部分が隠されることで社会的な結びつきや共感性が減る可能性がある」と講演されました。さらに氏の研究によれば「人間は相手の目と口から表情を読み取り、子どもは目よりも口を見る傾向にある。マスクの着用により、正しく表情を読み取ることが難しい」と。なるほど、やっぱりそうなのです。

限られた時間のなかで最大限、患者さん一人一人の様子をくみ取らなければなりません。ところがマスクをしていると…それができなくなってしまいます。

いま、COVID-19によって自分もマスクで仕事をしなくてはならなくなり、患者さんと対等になりました。それで、実を言うと私はストレスが減って楽になった面があります。私にも、覆面がゆるされたのです。

河原純一郎教授の北大ウェブマガジン記事です。こちらで研究の内容を読むことができます。

もうひとつ、実感していることがあります。やはり河原純一郎教授がおっしゃっていることで…印象形成について「もともと魅力が高い顔はマスクによって良い特徴が遮蔽されて失われる。一方で、魅力の低い顔は欠点が隠れるため魅力の違いを産む特徴が減り、結果として平均に近づく」…そうなのです!美人でない顔が「平均化される」!なんともうれしいことです!!顔の下半分だけでも平均に近寄れる。ありがたいことです。気楽になれます。