これから気になるフレイル、サルコペニア

「フレイル」「サルコペニア」まだあまり聞いたことがない言葉かもしれませんが、今後「メタボ(リック)」と同じくらい取り上げられる言葉になると思います。特に女性にとって、じゅうぶん対策をする必要があります。健康寿命をのばし、QOL(生活の質)を良く保つためです。

どういう意味か。これこそネットの出番です。ネットで検索しますと知ることができます。きょう2020.10.11検索してグーグル検索トップにあがったサイトを紹介しておきます。きちんとして、わかりやすいと思いました。

なぜ、特に女性にとって重要なのでしょう。女性は骨量、筋肉量を失いやすく、フレイル・サルコペニアにおちいりやすいためです。

平均寿命は長くなりました。しかし、健康で自立した生活を営めるかどうか。日常的に介護を必要としないでいられる「健康寿命」がポイントなのです。厚生労働省が出しているデータをもとに、平均寿命と健康寿命の差の比較グラフをよくみかけます。上記したアクティブシニア「食と栄養」研究会のサイトにもありました。

女性のほうが健康寿命と平均寿命の差が大きいです。介護が要る年数が男性よりも3年以上長い。平均寿命が男性より6年長いいっぽう、健康寿命は2年半くらい長いだけです。

アクティブシニア「食と栄養」研究会のサイトより

毎年とりよせている「女性のための健康ガイド」という冊子があります。月経が始まるころから老年期までの健康ガイドです。今年も届きました、第13版とあります。冊子の一番最後、裏表紙の手前のページが刷新されていました。フレイル、サルコペニアについて書かれていたのです。発行元に問い合わせたところ、今年の版からフレイル、サルコペニアについて載るようになったそうです。

『老年期の女性』と題してフレイル、サルコペニアについて解説があります。さっそく外来で説明しながら配布しています。老年期、とありますが、老年をむかえる前から対策しないとまずいのは言うまでもありません。消化機能ひとつとっても、どうしても衰えます。そうなる前にできるだけ蓄え、老後は維持につとめる。

この夏はひどく暑かったですね。暑さで食欲を失い、そうめんやお茶漬けですごしてしまうと”夏ばて”となりますが、つまりは低栄養でバテるのです。あとからツケがまわってくる。体調を崩します。夏のあいだもきちんと栄養をとっておくことが大切。おなじように、老後にツケをまわさないよう若いうちから油断なく筋骨をたくわえておくべきです。

 

2020.11.28 オンライン講演会のお知らせ

来月 11月28日土曜日に配信される動画ライブ配信のお知らせです。いまの日本は性暴力がやまないどころか 被害者がさらに追い詰められる、病んだ社会です。なんとかしなくてはなりません。これは、ぜひ、みようと思います。

きのう、10月1日の中日新聞でも愛知県弁護士会による広告が載っていました。

閉経後…しっかり栄養をとろう!

ほんの100年くらい前までは、ひとは50歳くらいで寿命を迎えていた。今は女性は80歳代まで生きることが多くなった。ただし卵巣は相変わらず50歳くらいで勝手に引退してしまう。

卵巣の引退すなわち閉経。卵胞ホルモンが欠乏する状態になり、色々変化が起こる。脂質が上がり、骨密度が減っていく。そこで、卵巣の引退と、ヒトとしての寿命の橋渡しをするのがホルモン補充療法(HRT)である。

HRTをやるだけではもちろん、足りない。栄養と運動がだいじ。高齢女性はタンパク質をしっかり、とらないといけない。コレステロールが上がらないように肉と魚をバランスよくとっていきたい。

おかずを作るのに、おすすめの調理器具がある。電気圧力鍋である。去年、象印の「煮込み自慢」を買い、いまや炊飯器より頻繁に使用している。なにしろ材料を入れてふたをしめたら調理はもう電気鍋におまかせ、そばに居る必要がない。その間に自分は他の仕事をすることができる。これはすごく便利でうれしいことなのだ。

魚は、やっぱり養殖より天然ものが美味しいのかな

おかずを作りながら、ちょっとデスクワークをする。数十分すると、鍋が音楽を鳴らして出来上がりを知らせてくれる。「おかずができましたよ、ごはんにしましょう」というように。

子どもの頃は、本を読んだり日記をかいたり、自分の好きなことだけやれていた。ごはんは親が作ってくれていた。生活をまわす責任のないころは、ほんとにラクだった。

歯科受診、成長期の健康管理は重要!

今週はじめ、ついに歯の処置(抜髄)をしてもらった… かつて、子どもの頃う蝕させてしまった奥歯。小学生のころ、どんどん永久歯がはえてきた頃、もっと歯の健康を守る知識と実践ができていたらと本当に悔やまれる。

う蝕してしまった歯は削るしかない。サメのように次から次から生えてくれば良いのだけど。せっかくの永久歯を守れなかった…取り返しのつかないことだ。

昔、歯の処置では麻酔の注射が痛くて辛かった。最近は上手に圧を掛けることのできる器具があり、おかげでずいぶん楽になった。それでも、まあ、処置中は痛い。

ああ、いま、すっごいブスい顔しているんだろうなあ…と思いつつ処置をうける。歯科受診をきっかけに歯科医相手に恋愛できてしまう芸能人は、やっぱり美人だからだろうなあ!

ほんとうに、成長期の健康管理はとっても重要なのである!とりかえしが付かないことがあるのである!!歯のほかにもたとえば骨量の獲得。これは十代、それも十代前半の栄養摂取がものをいう。

成長期にどれだけ骨量を上げておくかが老後寝たきりになるかどうかに関わります。20歳の時点でどれだけ骨の蓄えがあるかが鍵です!!

あいち健康ナビへのリンク

女性の外陰コンディション 年齢による変化

今日の外来で、患者さんから受けた質問。「先生は、患者さんみんなに40歳を過ぎたらGパンはやめるよう言っているということでしたが、なぜですか?」…Beautiful question!! よくぞたずねてくださいました。お答えは以下のごとくです。

40歳を過ぎる頃からじりじり、女性ホルモン=エストロゲンは右下がりとなります。クルマで言うと10万キロ、20万キロ走ってがたつきはじめたと、そういう感じ。リズムの良い排卵周期を維持できなくなります。月経周期が短くなったり、不順になるのはそのためです。エストロゲン分泌が落ちると外陰の皮膚・粘膜そして膣内環境は変化し始めます。

卵巣が元気な頃は、つまりエストロゲンがしっかり出ている時は エストロゲンの作用で外陰や膣の上皮細胞が健やかです。エストロゲンが落ちてくると、膣上皮細胞の数が減り、膣粘膜は薄くなります。それで膣の乾燥感・性交痛・出血・尿道の痛みなどが出るようになります。Gpanをはいて外陰を締め付けるのはよろしくない。デニムの厚い生地で蒸れたり擦れたり、炎症を起こしてしまいがちなのです。

膣の粘膜細胞の中ではエストロゲン低下によりグリコーゲンの蓄えが落ちてきます。すると、それを栄養にしていた善玉菌(乳酸菌です)が減ってしまいます。乳酸菌が元気だと膣内は弱酸性となり病原菌の増加を防いでくれるのですが、乳酸菌が減ることにより、皮膚や直腸に常在するバイキン(大腸菌やブドウ球菌)が増殖しやすくなってしまいます。Gパンやガードルのように蒸れる衣服を着ていることは、これを悪化させます。おりものがおかしくなってしまう(増える、におう)のです。

女性誌の表紙を見てみますと、50歳代かそれ以上をターゲットにしたものですと、モデルさんの着ている衣服がゆったりしていますよね。ピタッとしたスキニーやジーンズではない。

10年くらい前は「ユニ◯ロ」や「あか〇れん」の女性服売り場ではパンツばかり売っていて、なんだかな〜と思っていたのですが この頃はスカート、それも長い丈のものが多く売られており私は嬉しいです。