歯科受診、成長期の健康管理は重要!

今週はじめ、ついに歯の処置(抜髄)をしてもらった… かつて、子どもの頃う蝕させてしまった奥歯。小学生のころ、どんどん永久歯がはえてきた頃、もっと歯の健康を守る知識と実践ができていたらと本当に悔やまれる。

う蝕してしまった歯は削るしかない。サメのように次から次から生えてくれば良いのだけど。せっかくの永久歯を守れなかった…取り返しのつかないことだ。

昔、歯の処置では麻酔の注射が痛くて辛かった。最近は上手に圧を掛けることのできる器具があり、おかげでずいぶん楽になった。それでも、まあ、処置中は痛い。

ああ、いま、すっごいブスい顔しているんだろうなあ…と思いつつ処置をうける。歯科受診をきっかけに歯科医相手に恋愛できてしまう芸能人は、やっぱり美人だからだろうなあ!

ほんとうに、成長期の健康管理はとっても重要なのである!とりかえしが付かないことがあるのである!!歯のほかにもたとえば骨量の獲得。これは十代、それも十代前半の栄養摂取がものをいう。

成長期にどれだけ骨量を上げておくかが老後寝たきりになるかどうかに関わります。20歳の時点でどれだけ骨の蓄えがあるかが鍵です!!

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女性の外陰コンディション 年齢による変化

今日の外来で、患者さんから受けた質問。「先生は、患者さんみんなに40歳を過ぎたらGパンはやめるよう言っているということでしたが、なぜですか?」…Beautiful question!! よくぞたずねてくださいました。お答えは以下のごとくです。

40歳を過ぎる頃からじりじり、女性ホルモン=エストロゲンは右下がりとなります。クルマで言うと10万キロ、20万キロ走ってがたつきはじめたと、そういう感じ。リズムの良い排卵周期を維持できなくなります。月経周期が短くなったり、不順になるのはそのためです。エストロゲン分泌が落ちると外陰の皮膚・粘膜そして膣内環境は変化し始めます。

卵巣が元気な頃は、つまりエストロゲンがしっかり出ている時は エストロゲンの作用で外陰や膣の上皮細胞が健やかです。エストロゲンが落ちてくると、膣上皮細胞の数が減り、膣粘膜は薄くなります。それで膣の乾燥感・性交痛・出血・尿道の痛みなどが出るようになります。Gpanをはいて外陰を締め付けるのはよろしくない。デニムの厚い生地で蒸れたり擦れたり、炎症を起こしてしまいがちなのです。

膣の粘膜細胞の中ではエストロゲン低下によりグリコーゲンの蓄えが落ちてきます。すると、それを栄養にしていた善玉菌(乳酸菌です)が減ってしまいます。乳酸菌が元気だと膣内は弱酸性となり病原菌の増加を防いでくれるのですが、乳酸菌が減ることにより、皮膚や直腸に常在するバイキン(大腸菌やブドウ球菌)が増殖しやすくなってしまいます。Gパンやガードルのように蒸れる衣服を着ていることは、これを悪化させます。おりものがおかしくなってしまう(増える、におう)のです。

女性誌の表紙を見てみますと、50歳代かそれ以上をターゲットにしたものですと、モデルさんの着ている衣服がゆったりしていますよね。ピタッとしたスキニーやジーンズではない。

10年くらい前は「ユニ◯ロ」や「あか〇れん」の女性服売り場ではパンツばかり売っていて、なんだかな〜と思っていたのですが この頃はスカート、それも長い丈のものが多く売られており私は嬉しいです。

このごろ好きなラジオ番組〜自粛生活にぴったり!

今年の春先から注目しだしたラジオ放送番組「こころをよむ」。40分間、なかみたっぷりです。小学校、中学校は授業一時間45分くらいでしょうか。この番組は40分、講師のかたがはなし続けます。だから、中身ぎっしり充実なんです。講師のかた、話すの大変だと思います。これが13回もある。内容的に、大学の講義で一期の一科目ぶんくらいかしら。

内容も、自分にとって興味をひくもので、ありがたく勉強させてもらっています。自粛の今の時期にぴったりです。

アプリがあって、あとから聴けるのでとても便利。期間内なら何回でも聞くことができます。ただ、聴く時間がいつも寝る前になってしまいます。最後まで聴くんだ!と思ってききはじめるのですが、…寝落ちしてしまうんです。アプリで放送される期限のうちには全うしなければね。

黒い雨、第五福竜丸

今日の朝刊で、「黒い雨」を体験した住民等を被爆者と認定する初めての判決が出たというニュースをみた。75年という、長い年月がかかってようやく出た司法判断。早く、被爆者救済がすすみますように。

今日のネット記事によると「原爆の被害は長らく直接の放射線の影響が重視され、直後に降った雨や火災のすすに含まれた放射性物質による被ばくは、未解明な部分もあって軽視されてきた」という。原爆が落ちた後広島市内に入っていった人たちも被ばくする。これを入市(にゅうせい)被ばくというが、救済を受けられないできた人たちがずいぶん、いるだろう。

何年か前、アーサー・ビナードさんの講演会に行った。日本語を読み書きするビナードさんによる日本語の講演だ。そしてこの絵本を知った。第五福竜丸事件について、はずかしながら私はほとんどなにも知らなかった。 ビナードさんから教わったのだ。

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

絵;ベン・シャーン Ben Shahn 20世紀のアメリカを代表する画家のひとり。

構成・文;アーサー・ビナード Arthur Binard アメリカ生まれの詩人。大学卒業後に来日、日本語での詩作をはじめる。

本の解説より…「1954年3月1日、マーシャル諸島のビキニ環礁でアメリカ国防総省が水爆実験を行った。爆発力は広島型原爆の1000倍を超え…大量の放射能が潮流にのって太平洋を広く汚染し、気流によって北極まで運ばれ、また放射能雨となって日本全土を含む広範囲に降り注いだ。」「マーシャル諸島の住民が被曝した。米軍が定めた危険区域の外の公海ではえ縄漁をしていた第五福竜丸も、死の灰をもろに浴びた。」

講演で、ビナードさんから聞いたことーー無線長の久保山愛吉さんは、爆発時に自分たちが軍事機密に遭遇してしまったことを察知した。打電は、まずは、しない。打電したら傍受されて自分たちの存在を知られる。そうしたら自分たちが攻撃対象にされかねないから。そして仲間に大声でいったという…米軍の舟や飛行機、ヘリが見えたら知らせよと。それはつまり相手に自分たちの舟を見られたということだから、そのときは、すぐに焼津に無線を打ち自分たちの位置を知らせる、そうでなければ無線は打たないと。ーーこの話を聞いたとき、恐ろしさに背筋が冷たく緊張した。そして、とっさに鋭い判断を下した無線長の経験のゆたかさに感服した。

放射能による症状がではじめながらも、23人の乗組員たちは自力で二週間かかって母港の静岡県焼津に帰った。そして自らの体験を語り、水爆の生き証人となった。

東京江東区に、都立 第五福竜丸展示館がある。東京オリンピックが開催されるあいだはなぜか閉館ということだったが、延期されたのでこの夏も通常開館するそう。たくさんの資料がある。

子宮のサイズは〇〇大

患者さんに、状態や疾患について説明するときに ふつうのサイズの子宮ってどれくらいの大きさなのかを伝える必要がある。どのあたりに位置しているかなど、いろいろ。保健体育で習ったかと思う。でもたいてい、あまり知識がない。排卵と月経の関係もふたしかである。

微分積分とちがって卒業後も必要な、たくさんの、色々大切なことを保健体育で習うのだがあまり知識が定着していない。かなり残念だし問題なことである。これを解決するために国策として、健康教育・性教育がなされるようになるべきだと思う。

通常の、成人女性の子宮は洋梨型をしていて、子宮体部と頚部と呼ばれる部分がある。子宮体部はにわとりのLサイズの卵くらいの大きさ。子宮全体として縦 7~8cm, 横幅と厚みは4〜5cmといったところ。

てもとにゴム製の模型がある。前院長がずっと使用していたクラシックなものだ。

この模型の、卵管や卵巣については長さなどいまひとつのため参考程度に。

昔の教科書では正常を鶏卵大、それより大きいと鵞卵大(がらんだい、ガチョウの卵の大きさ)、それより大きいと手拳大、と表現していたのだった。医師が内診をして、触診して把握するサイズ感である。”手拳大に腫れた子宮筋腫は手術適応だ”といっていたものだ。いまは表現法や治療法がかなり変化してきた。

手拳大、といっても、個人差があるしね

超音波検査がどんどん進んできたのはちょうど私が医師になるかならないかの頃だった。経膣超音波のおかげで子宮のサイズはmm単位でリアルタイムで計測できるようになった。もう、手拳大、といったアバウトな表現はする必要がない。そして指先くらい小さい筋腫でも、有り場所によってはひどい過多月経を起こして手術適応になることもあるし、10cmほどの筋腫があっても月経量が少なければ痛くもかゆくもないのでずーっとそのまま(筋腫をもったまま)生活できていたりする。

私は小学生のころ飼育委員だった。ガチョウの卵を実際見たことがある。だから鵞卵大っていう表現をみてイメージできたが、私くらいの年代の医師でも、100人が100人、ガランダイと言われてピンとくるわけではないと思う。なお、東山動物園へいくと、いろいろなトリの卵をみることができる

ガチョウはアヒルよりからだが一回り大きい。子どものころの記憶では、アヒルの倍くらいな背丈に感じた。

卵を産んだので、家庭科の先生がケーキを焼いて食べさせてくれた。大きな黄身で色も濃かった。

飼育小屋の掃除をしようとデッキブラシを持つと、長い首を曲げくちばしを低くし攻撃姿勢で近寄ってくる。結構こわいのだ。