自分の意志で人生を生きる女性

今月、伊藤野枝の小説「風よあらしよ」の映画版をみてきた。出かけたのは上映のラスト日だったので、ぎりぎりセーフ。吉高由里子さんが野枝を演じている。

小説は、図書館で借りてきた。厚いのできちんと読めずに返却時期が来てしまったけれど、以前に伊藤野枝の別の本をじっくり読んだことがあり、拾い読みでもなんとか場面を想像することができた。そして映画をみた。映画では、長い小説のすべての要素を汲むことはできないし、ラストの残酷な場面は脚色してある。頭の中で場面をつくる小説と違うのでそれはしかたがない。ラストに強烈な場面がくると話全体にひびいてしまうかもしれない。大事なのは、相手が大臣だろうがおそろしい憲兵だろうが、びびるどころかスラスラと言葉が出てくる野枝の強さだ。

村山由佳さんによる伊藤野枝の小説「風よあらしよ」

膨大な資料を求め、それを読み、想像力を膨らませて書くのが小説家の仕事。凄すぎます。

伊藤野枝は福岡県の海近くの村出身。東京の女学校で学ぶことができた。ひとの自由、平等はあたりまえのことと固い信念を持つ女性。女学校で学ぶより前に、子どものころから培われてきた資質のようだ。明治・大正の時代に、たいした人である。

吉高由里子さんは今年の大河ドラマ「光る君へ」でも、自分の意志を大事に生きる女性を演じている。

こうした本を読み映画をみて、ああ充分生ききった、と言って死んでいけるためにはどうしたらいいのかを考える。

話は飛ぶけれど、今年は久しぶりに大河ドラマを初回からみている。今回(第八回 2/25)は親による子どもの差別、暴力虐待という、今につながる問題場面が登場した。この先どうなるのだろう。脚本は大石静さん、音楽は冬野ユミさん。女性が大活躍です。

「タバコ病辞典」

副題の「吸う人も吸わない人も危ない」というのはどういう意味かというと、受動喫煙の健康被害が大きいということ。自分ではタバコを吸わないのに、受動喫煙のためにやっぱり危ない、という意味です。本をひらくと、解決しなければならない課題のひとつが「受動喫煙の有害性が過小評価されている事実がほとんど知られていない」こととあります。タバコのもたらす病気について、データをたくさんのせて解説してあります。

編者、監修者は禁煙活動で名だたる医師やジャーナリスト。

2004年5月5日第一刷発行。

ふせんを沢山はってあるのは、この本から多くを学んで健康教育に役立ててきたから。

Tobaccoをタバコと書く。”たばこ”と書かない。下記の受動喫煙撲滅機構のサイトにくわしく書かれていますがこれは、多くの禁煙活動団体で遵守されている表現です。大きな理由はタバコは外来品であり、外来語だから。「びいる」「わいん」と書かないのと同じ。それから、ひらがなや漢字で書くことで日本古来のもの、または定着しているものという誤解を生じさせないためです。

公益社団法人 受動喫煙撲滅機構

私が喫煙する患者さんはじめ周りの大切なひとに禁煙をすすめるのは、健康問題はもちろんですが、きのうのブログに書いたようにごまかしやウソでひとをニコチン中毒にするビジネスに怒りを覚えるからです。

タバコ産業の実態

手元にある本、題して「悪魔のマーケティング」。訴訟や内部告発によって公になった欧米のタバコ産業の内部文書のおかげで、欧米のタバコ産業が驚くほど計画的に、しかも組織ぐるみでウソをついてきたことが明らかになったという。この本は、その文書の中から「証言」をひろいだしテーマ別に紹介してある。

2005年1月初版の本。私はこれを2005.3.16に楽天で買ったと扉にメモがあった。

私は2002年から学校で健康教育(性教育)講演をしてきた。同時期に、「禁煙ネットワーク」という団体に属する医師からタバコ産業の考え方がどのようなものかを教えてもらった。喫煙で早死にするおとなの欠員補充だ、として子どもをターゲットにマーケティングしているというのだ。まさに悪魔のマーケティング。極悪非道、ゆるせない。日本でも、かっこいいイメージ、パッケージのかわいさで女性や子どもに目を向けているのは間違いなく、喫煙による健康被害は明らかなこと。吸い続けると1,2ヵ月で中毒になるという。ニコチン中毒になったらやめるのは困難だ。それで熱意をもってタバコの健康被害のこと、タバコの真実を、講演内容に盛り込んで喫煙予防を啓発してきた。

幸いだんだん、日本もタバコを吸わないのが当たり前の社会になってきた。健康教育講演に用意するスライドはタバコ関連のものから、HIV・性感染症、ネット、メディアリテラシーのことなど新たな問題に対するスライドにおきかわったこのごろである。

オリーブオイルはやっぱり、いい

よく、栄養のことで患者さんに魚を勧めるが、においやぱさつきが気になるという意見をいただく。においが嫌い、上手に焼かないとパサパサして美味しくないのだと。確かに。

ちりめんじゃこと大根おろし、そしてオリーブオイル。和食からイタリアンなおかずに。

特売で切り身を買ってきた。シンプルに塩焼きしてオリーブオイルをかけるだけ。簡単で、おすすめ!

魚特有のにおい、ぱさつきをおいしく解決するのがオリーブオイルである。魚の香りとオリーブオイルの香りが合うのだ。そして口当たりもまろやかになる。ぜひ、ためしてほしい。

この本を去年の夏に図書館で借りて読んだ。分厚い。(全部は読めず返却した)

イタリアでも、アメリカでも、正しく良いオイルの生産者と、ひどい偽オイルを売るあくどい業者があることがわかる。

そして、ほんもののオリーブオイルは本当に素晴らしい物だということがわかった。

このごろ好きなラジオ番組〜自粛生活にぴったり!

今年の春先から注目しだしたラジオ放送番組「こころをよむ」。40分間、なかみたっぷりです。小学校、中学校は授業一時間45分くらいでしょうか。この番組は40分、講師のかたがはなし続けます。だから、中身ぎっしり充実なんです。講師のかた、話すの大変だと思います。これが13回もある。内容的に、大学の講義で一期の一科目ぶんくらいかしら。

内容も、自分にとって興味をひくもので、ありがたく勉強させてもらっています。自粛の今の時期にぴったりです。

アプリがあって、あとから聴けるのでとても便利。期間内なら何回でも聞くことができます。ただ、聴く時間がいつも寝る前になってしまいます。最後まで聴くんだ!と思ってききはじめるのですが、…寝落ちしてしまうんです。アプリで放送される期限のうちには全うしなければね。