患者さんに、状態や疾患について説明するときに ふつうのサイズの子宮ってどれくらいの大きさなのかを伝える必要がある。どのあたりに位置しているかなど、いろいろ。保健体育で習ったかと思う。でもたいてい、あまり知識がない。排卵と月経の関係もふたしかである。
微分積分とちがって卒業後も必要な、たくさんの、色々大切なことを保健体育で習うのだがあまり知識が定着していない。かなり残念だし問題なことである。これを解決するために国策として、健康教育・性教育がなされるようになるべきだと思う。
通常の、成人女性の子宮は洋梨型をしていて、子宮体部と頚部と呼ばれる部分がある。子宮体部はにわとりのLサイズの卵くらいの大きさ。子宮全体として縦 7~8cm, 横幅と厚みは4〜5cmといったところ。
てもとにゴム製の模型がある。前院長がずっと使用していたクラシックなものだ。
この模型の、卵管や卵巣については長さなどいまひとつのため参考程度に。
昔の教科書では正常を鶏卵大、それより大きいと鵞卵大(がらんだい、ガチョウの卵の大きさ)、それより大きいと手拳大、と表現していたのだった。医師が内診をして、触診して把握するサイズ感である。”手拳大に腫れた子宮筋腫は手術適応だ”といっていたものだ。いまは表現法や治療法がかなり変化してきた。
手拳大、といっても、個人差があるしね
超音波検査がどんどん進んできたのはちょうど私が医師になるかならないかの頃だった。経膣超音波のおかげで子宮のサイズはmm単位でリアルタイムで計測できるようになった。もう、手拳大、といったアバウトな表現はする必要がない。そして指先くらい小さい筋腫でも、有り場所によってはひどい過多月経を起こして手術適応になることもあるし、10cmほどの筋腫があっても月経量が少なければ痛くもかゆくもないのでずーっとそのまま(筋腫をもったまま)生活できていたりする。
私は小学生のころ飼育委員だった。ガチョウの卵を実際見たことがある。だから鵞卵大っていう表現をみてイメージできたが、私くらいの年代の医師でも、100人が100人、ガランダイと言われてピンとくるわけではないと思う。なお、東山動物園へいくと、いろいろなトリの卵をみることができる
ガチョウはアヒルよりからだが一回り大きい。子どものころの記憶では、アヒルの倍くらいな背丈に感じた。
卵を産んだので、家庭科の先生がケーキを焼いて食べさせてくれた。大きな黄身で色も濃かった。
飼育小屋の掃除をしようとデッキブラシを持つと、長い首を曲げくちばしを低くし攻撃姿勢で近寄ってくる。結構こわいのだ。