純石けんで何でも洗う

そろそろ食器洗い洗剤が無くなってきたので作りました。使うぶんずつ、台所で作ります。簡単です。生協で売っている、粉末の純石けんが万能なのです。

溶かした石けんは、まる一日くらい経つと固まってきます。固まる前でも使えますから大丈夫。

粉末状の石けんには、昔ながらの石けんのほかに、合成洗剤があります。合成洗剤ではこのようなジェル状石けんは作れませんのでご注意を。また食器を洗うとき、合成洗剤より食器が滑りやすいので慣れるまでは気をつけましょう。(慣れてしまえば平気です)

おなじ粉末でも、石けんと合成洗剤は似て非なるものです。

衣服の洗濯でも、合成洗剤と純石けんでの洗い上がりは純石けんの勝ち、です。柔軟剤は要りません。ただ、石けんは泡立つよう充分な量を使い、よく混ぜて溶かさないといけません。このごろ、つい、めんどうになってしまって固形のポンと入れるだけの合成洗剤で服など洗濯しています。でも、純石けんの粉石けんは、いろいろな洗剤として使えるので常備しています。家中、からだじゅう、洗えます。

実は頭髪も1年以上前からせっけんで洗っているんです!髪用には、火山灰入りのとか馬油いりの石けんとか、ちょっといいやつを使うこともあります。リンスはあんまり要らないけれど、するなら、酢とかクエン酸を溶かしたお湯ですすげばOKです。…それでどうかというと、かかりつけの美容師さんから、髪が扱いやすくなったと評価されるんです!!

今まで、とくに肌にトラブルのある患者さんに、せっけんのことを説明してきました。診察のときに、肌が乾燥してがさがさ、乾燥するとかゆみが出るので皮膚にかきむしった跡まである方があります。ボディシャンプーを使っているかどうかと聞きますと、たいてい、当たります。
合成洗剤の一つであるボディシャンプーは皮脂を取り除く力が大変強く、肌のバリアをこわします。使って平気な方はよいのですが、肌にトラブルのある方は、純せっけんで洗うほうがよいのでは。

2000年4月に手に入れた石けんの本が素敵。しばらくオリーブオイルと水酸化ナトリウムを使って固形石けんを自作していました。(いまはもう、やっていません)

本が痛まないようフィルムを貼って、付箋紙をはさんで。石けんバイブルです。

前田京子「お風呂の愉しみ」飛鳥新社

著者の前田京子さんは、自分と同じ年齢。文系かな?理系かな?本の、エッセイ部分もレシピ部分もいいです。むだがなくてわかりやすい。多分この本のおかげで石けんを手作りする人の数が増えたことでしょう。この本がヒットしていたころ同系列の本が書店にたくさん並んでいました。私はこの本だけで十分だと思いました。基礎から各論まで書いてあります。

これで純石けんのことに目覚めたというか、それまで石けんのことに関心がなかったけれど、色々勉強してからは合成洗剤や高価な石けんは要らないんだなあと思うようになりました。

合成洗剤には蛍光剤が入っていることがありますが、蛍光剤は発ガン性物質です。そのため食品を入れたり、口をふいたりする紙コップや紙ナフキンには蛍光剤を入れてはいけないことになっています。洗濯だって…ハンカチ、給食のナプキンやエプロンなど、洗います。それでも洗濯用の洗剤に蛍光剤を入れてはいけない法律は無いので、洗濯物が美しく洗い上がったようにみせるために、入れてあるのです。

むかしながらのせっけんは、油脂と苛性ソーダNaOHとをゆっくり反応させ、時間をかけてつくりました。高校化学で習う「けん化法」という化学反応です。これによって、材料は脂肪酸塩とグリセリンとに変化し、固まります。脂肪酸塩が汚れを落とし、グリセリンは汚れをおとすほかに、肌を保湿する働きがあります。
自分でせっけんをつくってみると、できあがりはチーズかケーキのようです。純せっけんを作る仕事の人たちは、せっけんを「炊く」というそうです。昔のせっけん(純せっけん)は、ねずみがかじりました。今世間にあふれる添剤(エデト酸塩)入りのせっけんは、ねずみもかじれません。

マンガ家の赤星たみこさんが、石けんに詳しくて昔から色々情報発信なさっています。https://akaboshi.exblog.jp/26782594/

今日みつけた「石けん百科」というサイトで石けんのこと、色々かいてあります。https://www.live-science.co.jp/store/c/ncjji/